お花ちゃん観察日記2 「なぁ、あれ、何をしているんだと思う?」 佐助のデスクに凭れかかり、元親が指差した――彼の指の方向を辿ると、其処には三匹の小さな頭を寄せ合っている花の精たちが居る。 しかも場所は元親のデスクの上だ。主任というだけあって、取り合えずそこそこの広さのある机の上には、ミニチュアの椅子やらテーブルがある。それらは見本と称して元親が作ったものだが、今や彼らの寛ぎのスペースと化している。 「さぁ…?でも井戸端会議みたいで可愛いですよね」 「猿飛、お前、井戸端会議って…歳さば読んでないか?」 「あ、片倉の旦那、おはようございます〜」 会議室から戻ってきた小十郎が座っている二人の頭上から、意外そうに佐助を見下ろしていた。佐助が「あれ見てくださいよ」と元親のデスクの上を指差すと、其処には三匹がそれぞれに水を飲みながら身振り手振りで話している姿がある。 小十郎は瞳を眇めながら、あー、と声を上げた。 「楽しそうで良いじゃないか」 「ですよねぇ…あ、そうだ。この間、旦那とピクニックに行ったんですよ」 「お前、そんなことしてんの?あ、でも俺も元就と映画見たな」 わいわいと三人は頭を寄せ合っていく。それを元親のデスクの上の三匹は気付いていなかった。 091108up 人間側からです。 |