忍談義



「珍しいよなぁ、こうして雁首揃えてって言うのは」
「何を浮かれている、猿飛佐助…火急の用と呼び出してきたから、仕方なくだ」
「――――……」
「酷いよなぁ、確信付かなくってもいいじゃない?」
「して、何用なのだ?」
「――――……」
「ええーと、ぶっちゃけ忍同士で色々話し合おうって…――って!帰ろうとすんなよ、かすがッ」
「お前は馬鹿か。お前などと話す事はない」
「――――……」
「いやだってさ、気になる訳よ。うちの給料とかさぁ、そっちとどう違うのかな〜とか」
「銭勘定か、貴様ッ」
「――――」
「ええ?昨今不況って言うじゃない。どこでも彼処でもさ。そうなると気になる訳よ。で正直どうよ?上杉、かなりよさそうじゃない?給料」
「……そのようなものなくとも、私は謙信様の傍にいられるだけでいい」
「――――」
「無欲だねぇ…あ、まさか…――」
「下世話なことを考えたな、貴様ッ」
「――……」
「えええ?気のせいじゃない?で、風魔はどうよ?北条ってさ…」
「少し、それは気になるな」
「――――……」
「あ、困ってる」
「良いのか悪いのかだけでいいぞ」
「――――……」
「――……こたろうちゃん?」
「応えられないのか?」
「――――……ッッ」

 ――30分経過――

「帰る」
「ちょちょっと!風魔ッ、お前も止めてッ」
「ええい、離せッ、猿飛ッ!」
「――――……」
「風魔、風魔ッ!何ぼさっとしてんだよッ!え……帰る?ええーっ?ちょっと!」

「帰っちゃったよ、かすが」
「――……あまり、よくない」
「お前、今更応えても遅いって」
「――――?」







090702 up
音声のみでお送りしました…みたいな。